秋月LPC11U35ボードを動かす(1) 環境構築

投稿者: | 2021年06月04日

秋月電子にて販売されているLPC11U35マイコンボードを動かしてみます。
https://akizukidenshi.com/catalog/g/gK-12144/ に掲載されているものを入手しました。

搭載されているCPU

Cortex-M0コア搭載のマイコンLPC11U35が搭載されています。
LPC11U35の詳細型番は、パッケージ形状がHVQFN33(秋月電子のページをよく読むと記載されています。)、外形寸法を実測すると5mm×5mmのようなので、LPC11U35のデータシートから判断すると、以下の赤丸の型番LPC11U35FHI33/501と思われます。

オフラインコンパイル環境の構築

さて、このLPC11U35ボードですが、mbed OS 2のみの対応でmbed OS 5もしくは6に対応していません。その上、mbedのオンラインコンパイラでは公式には非対応となってしまったようなので、オフラインでのコンパイル環境を整えてみることにします。

ちなみに、mbed OS 2自体も更新は停止しており、オフライン環境を整えておかなければ今後も継続して使用できるかどうかはわかりません。

以下のツールを用意して、オフラインコンパイルにて動かすことに成功しました。

なお、動作確認環境として、OSはWindows10 pro 64bitを使用しています。

インストールするもの

  • mbed-cli : mbedをオフラインコンパイルするためのコマンドラインツールです。一番肝心なツールですが、pythonをインストールしてからコマンドラインで取得するので、一旦、インストールは後回しにします。
  • python 2.7 (3.x系で試しましたがエラーが出てコンパイルできません)
    公式ページからWindows x86-64 MSI installerを選択してインストーラをダウンロード。
  • Git :  定番のバージョン管理ツールです。
    公式ページから最新版をダウンロード。
  • GCC Arm Compiler
    筆者の環境では、バージョン9-2019-q4-majorでコンパイル可能と確認しています。ダウンロードはここから
    なお、このコンパイラバージョンを使用した場合、mbed OS 2のプログラムをコンパイルすると、エラーのような表示がされますが、コンパイルして実行可能なバイナリファイルは生成され、使ってみたところ特に不具合には遭遇していません。
  • Marcurial : こちらのバージョン管理ツールですが、筆者は使ったことがありません。mbed-cliを使うのに必要とのことですのでインストールしておきます。
    公式ページからダウンロード。

パスを通しておく

環境変数のpathに以下を追加します。

  • GCC ARMコンパイラのパス
    C:\Program Files (x86)\GNU Tools Arm Embedded\9 2019-q4-major\bin
  • Python2.7のパス
    C:\Python27\
    C:\Python27\Scripts

なお、Python2.7とPython3.x系との両方をインストールしている場合、Python2.7のパスを上位に設定しておかないと、mbed-cliのコマンドを呼び出したときに、内部でPython3.x系が呼び出されてうまく動かないことがあるようです。
Python3.x系との共存は若干面倒くさい作業となりそうです。

mbed-cliをインストール

pythonのpipコマンドを使用します。

powershell等を使用して以下のコマンドを入力します。

pip install mbed-cli

しかし、これでは必要なPythonライブラリは全てインストールされないようです。筆者の環境では、引き続いて以下のコマンドで追加のインストールが必要でした。

pip install jsonschema
pip install pyelftools
pip install fuzzywuzzy

これで、ようやくmbedコマンドラインツールからGCC ARMコンパイラを使用してオフライン環境構築が完了です。

引続き、mbed-cliを使用してプログラムを作成していきます。

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